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宮城資料ネット・ニュース 19号 (03.12.10)

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河南町の斎藤家の古文書が東北大学に寄贈されました
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 すでにNHKの「ニュース10」などで報道されましたのでご承知の方もおられるかと思いますが、戦後の農地解放まで日本屈指の大地主であった宮城県桃生郡河南町前谷地の旧・斎藤善右衛門家(現在は宝ケ峰縄文記念館)の大量の古文書や新聞などが、このたび東北大学附属図書館に一括寄贈されました。
 
去る7月26日の宮城県地震で同館は、建物が損壊しただけではなく、展示してあった縄文土器が破損したり、蔵に納めてあった大量の文書箱が散乱するなど、甚大な被害を受けました。その直後から、立ち上がったばかりの宮城歴史資料保全ネットワークが同記念館に入り、8月いっぱいをかけて救出・整理作業に取り組んできました。

 ご当主の斎藤武子様は、同館で古文書等を整理・公開する態勢をとれないことや、膨大な史料がこれまで埋もれてきたことを惜しまれ、今後、歴史研究の役に立つことを期待されて、このたび東北大学に寄贈を申し出られたものです。

 東北大学は明治40年代から、斎藤家及び同家が設立した斎藤報恩会から多大の助成を受けて理系・文系にわたる様々な研究を進めてきました。斎藤家と東北大学のそうした密接な関係も斎藤武子様が東北大学に古文書のご寄付を決断された大きな理由となっております。

 これらの古文書には地主経営史料のほかに、漁業、鉱山、鉄道、銀行など多方面にわたる投資・経営関係史料が大量に含まれています。地主制や資本主義の成立・展開過程を解明し、日本の近代化の道筋を全国的視野から検討することが可能な史料群であります。

 寄贈をうけた東北大学では史料目録を作成したうえで公開していく予定にしていますが、膨大な史料群であるため目録作成だけでも数年は要するのではないかと思われます。

 多くの方々が参加された宮城資料ネットの活動が、このような結果をもたらしました。皆様にお知らせすると共に、あつく御礼を申し上げる次第です。

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宮城歴史資料保全ネットワーク
〒980-8576 仙台市青葉区川内 
東北大学東北アジア研究センター 平川新研究室気付
電話・FAX 022ー217ー7693
メール  hirakawa@cneas.tohoku.ac.jp
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宮城資料ネット・ニュース 18号 (03.11.25)

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11月24日に矢本町で被災資料の整理と目録採りを実施しました
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* 11月24日(勤労感謝の日)に矢本町の被災者Aさん宅の資料整理を行いました。軸物が数十点と明治・大正の手紙や古文書類が百点程度でしたので、美術史関係者と文献史関係者若干名で間に合うだろうと、メーリングリストでボランティア募集はおこなわず、くちこみで数人の方にお願いしました。美術史では宮城学院女子大学の井上研一郎さんにお願いをしましたところ、井上ゼミの学生さん5人も参加され、ほかに仙台から5人、東北歴史博物館から2人、それに地元の文化財保護委員長さんの、総勢14人となりました。みなさまに御礼を申し上げます。

* Aさん宅は江戸時代に矢本宿の旅籠屋を営んでおられましたので、倉庫のなかにはたくさんの什器類がありました。震災で全壊した母家から運び出した立派な仏具や神棚などもあり、由緒を感じさせます。ご当主は、これから新築する母家になんとかこれらの仏具や神棚を戻したいと語っておられました。今月中にはその倉庫も解体するということでしたので、急いで第二次調査にはいったものです。

* 資料は近くの公民館に運び出し、写真撮影と目録採りをおこないました。Aさんご夫妻も公民館に来られて作業風景を興味深そうに見学され、10年前だったらもっとあったんですけどね、知らずに処分してしまって申し訳ないですね、と語っておられました。

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11月20日、全史料協仙台大会で宮城資料ネットの活動を紹介
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* 11月19日〜20日にかけて全史料協の大会が仙台で開催され、実行委員会から求められましたので、全体会で宮城資料ネットの活動を紹介しました。カンパも2万円ほど集まりました。ありがとうございます。
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宮城資料ネット・ニュース 17号 (03.11.13)

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南郷町で被災状況調査を実施しました
  11月8日に19人が参加
     地元からは8人が協力
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* 11月8日(土)に南郷町で被災状況調査を実施しました。参加者は仙台から19人で、地元からは教育委員会の生涯学習課長をはじめとする職員の方々、文化財保護指導地区委員、前教育長、元公民館長、地区長など、多彩な8人の方々が参加してくださりました。

* 町内調査は地区ごとに5グループに分けて行いました。全部で32軒の調査となりました。

* 地震による矢本町の全壊家屋は145軒、半壊448軒でした。美しい田園風景の広がる地域ですが、震源地である旭山も間近に見えて、痛々しさも募る思いでした。生涯学習課長さんは、地震後は旭山の形が少し変わった、と言っておられました。山の形が変わるほどの地震というのも想像を絶するほどです。

* 残念としかいいようがないのですが、河南町の斎藤善右衛門家に次ぐ県内第二位の大地主のお宅の膨大な史料が、つい1か月前に焼却されていたことが判明しました。1か月前といえば、私たち別な町で活動をしているときです。あとさきのことをいまさら悔やんでも仕方ありませんんが、最大の教訓は複数の町で同時並行して調査やレスキューを進めることができていればということでしょう。なんとも痛い教訓となりました。

* 古文書ではありませんが、大正時代の養蚕小屋が全壊し、そのなかにはいっていたさまざまな農具類をすべて処分したお宅もありました。これも1ヶ月前のことだそうです。あそこだよと指をさされた場所には、ブルトーザーがあり、整地をしている状況でした。ご当主が言われるには、養蚕小屋とその中の民具類それ自体が資料館のようだったとのことでした。

* こうした話しをお聞きすると、なんとも愕然たる思いになりますが、いっぽうでは、これからちゃんと管理できるかどうか配だ、お役にたつのなら史料を博物館に寄付したいと申し出られたお宅もありました。東北歴史博物館にそのご意向をお伝えし、対応して頂いているところです。

* すでに建て増しなどをして表からの外観は現代風になっていますが、奥のほうの建物は江戸時代のものという旧家がありました。ご当主によるとその家は飢饉のときに建てたとのことでした。それがいつの飢饉のことかまでは分からないとのことでしたが、あるいは窮民対策のひとつだったのかもしれません。別なお宅で明治初期の耕地地図を拝見したとき、あまりにも整然と区画されているので、区画整理でもやったかのようですねと申し上げたら、付き添って下さった前教育長さんが、この村では窮民対策として江戸時代から耕地整理をやっていたのですよ、慈恵地主が多かったと言われています、とのことでした。家を建てるということだけに目を奪われると、なぜ飢饉のときに建てたのか、その歴史的な意味を見失うのかもしれません。

* 今回の南郷町をもって激甚被害をうけた5町の被災調査をひととおり終えることができました。とはいえ被災地全体でいえば二次調査や史料整理などが必要なお宅も少なくありません。お預かりしたフスマの裏張りの解体・整理作業も始まりました。集積した大量の現状確認データも、これからデータベース化に取りかからなければなりません。まだまだ仕事は山積しています。多くの方々のサポートをお願いする次第です。

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宮城歴史資料保全ネットワーク
〒980-8576 仙台市青葉区川内 
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宮城資料ネット・ニュース 16号 (03.11.03)

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矢本町で被災状況調査を実施しました
  11月1日に23人が参加
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* 11月1日(土)に矢本町で被災状況の現状調査を実施しました。参加者は21人で、地元の文化財保護委員の先生方お二人にもご協力を頂きました。ありがとうございます。

* 町内調査は地区ごとに6グループに分けて行いました。調査リストでは44件でしたが、ヒアリングのなかで1件の追加があり、全部で45件となりました。お留守のお宅も数軒ありましたが、1軒のお宅で1時間以上ヒアリングというのはザラですので、なかなか大変です。最近は日没時刻も早くなってきましたので、明るいうちに作業をおえることもむずかしくなっています。

* 地震による矢本町の全壊家屋は427軒、半壊1262軒で、これは鳴瀬町の全壊430軒と並ぶ最大級の被害でした。それだけに町内の主要道路の痛みも激しく、いまでもかなり波打った状態のところがありました。道路沿いにも空き地がいたるところにありましたが、家屋を解体して更地になったところだとのことでした。

* 江戸時代に旅籠を営み、明治5年築の母屋が全壊したお宅では、大きな神棚やたくさんの什器、古い家具類を倉庫に保管していましたが、母屋を新築するために11月中に倉庫を解体するとのことでした。そこで倉庫のなかを拝見させて頂いたところ、安政から明治にかけての文書や軸物が数十点出てきました。整理の必要があることをお伝えし、11月中にもう一度お訪ねして保全作業をすることになりました。

* 矢本宿の旅籠屋で、幕末に肝入を勤めたお宅では、浪速講の看板や多くの民具類がありましたが、幸いにもふすまの裏張りを保管しておられました。その一部は額に入れてありましたが、多くは裏張りをはがした状態のままでしたので、ご当主の依頼をうけて裏張り文書をお預かりしてきました。一枚一枚はがしてきれいに整え、目録をとったうえで、保管できる状態にしてお返しすることにしています。

* すでに別宅を建てたため明治初年築の母屋を近く取り壊す予定のお宅のことですが、地震直後に骨董屋がやってきて、かなりのものをもっていったとのことでした。
骨董屋に「奥さん大変でしょう、私たちが片づけますよ」と言われ、お願いしますといったら、めぼしいものを全部運び出し、5万円置いてもっていったとのことでした。家のなかがガタガタになっていたので私も気が動転してウンといったけど、仏像もなくなっていた、いくつかはあとで返してもらったけど、ひどいねえ、と語っておられました。こうした骨董屋の話は、これまでにもあちこちで耳にしています。こうした話のなかで奥様が、そういえば大事そうな書類箱があったと言われるので、閉め切っていた母屋に入れさせて頂き、あちこちをひっくり返してようやく書類箱を探し出しました。仙台藩が各村に書き上げさせた地誌の「安永風土記書上」と系図などを入れている旨の箱書きがありましたが、そっとふたをあけて中を拝見すると、「安永風土記書上」の姿はみえず、系図があるだけでした。愕然としましたが、いつなくなったかはわからないとのことでした。 

* このほかにも数軒、日を改めて所蔵文書の調査が必要なお宅がありました。今後連絡をとって継続調査や整理作業にはいることにしています。

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南郷町ボランティア 募集中
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* 次回は11月8日(土)に、南郷町の現状調査に入る予定です。これについてはすでに別途ご案内済み(宮城資料ネット・ニュース15号)です。この南郷町が被災地調査最後の自治体となりますので、ぜひ多くの方々の参加をお願い致します。
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宮城資料ネット・ニュース 15号 (03.10.30)

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11月8日(土)に南郷町で活動を実施
   調査ボランティアを募集します 
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* 来る11月8日(土)に、南郷町の調査にはいることになりました。ぜひ多くの方のご参加をお願い致します。

* 7月26日の地震で大きな被害を受けたのは、河南町、鹿島台町、矢本町、鳴瀬町、南郷町の五つの町でした。私たちはこれまでに四つの町で歴史資料の被災調査とレスキュー活動を実施してきましたが、いよいよ南郷町をもって最後となりました。

* 南郷町では約30件の調査対象がリストアップされています。南郷町教育委員会からも、この機会にぜひ文化財・古文書等の現状調査をやって頂きたいと期待されています。

* 町内はかなり広いので、車が必要です。自家用車をお持ちの方は、車でのご参加をお願い致します。車の台数とボランティア人数に応じて、地区ごとのグループを作り、分乗して町内調査を実施します。教育委員会の職員の方などがグループに同行して下さることになっています。

* デジタルカメラと三脚をお持ちの方はご持参ください。家屋や資料の撮影に用います。

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*南郷町の「南郷町公民館(農村環境改善センター内)」に午前9時00分に集合
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* 南郷町にはJRが走っておりませんので、仙台からはできるだけ自家用車に乗り合わせておいで下さい。

* 車の場合は、三陸自動車道の松島北インターチェンジで降りて、国道346号を20分ほど北上すると到着します。

* もしJRをご利用の場合は、JR東北本線下り仙台発8時03分発の普通列車に乗車すれば鹿島台駅に8時41分に到着します。そこからタクシーをご利用下さい。10分程度です。

* 「南郷町公民館」は下記サイトの地図にアクセスして下さい。
「生活地図サイト、マップファン」
http://www.mapfan.com/index.cgi?HFILE=japanmap/miyagi.html

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「南郷町役場HP」
http://www.town.nangou.miyagi.jp/
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上記の活動に参加が可能な方は、できるだけ早く折り返しご返信ください。車でのご参加が可能な方は、その旨、お書き添え頂ければ幸いです。
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宮城資料ネット・ニュース 14号 (03.10.20)

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11月1日(土)に矢本町で活動を実施
   ボランティアを募集します 
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* 来る11月1日(土)に、やはり大きな地震被害をうけた矢本町の調査にはいることになりました。ぜひ多くの方のご参加をお願い致します。

* 町内はかなり広いので、車が必要です。自家用車をお持ちの方は、車でのご参加をお願い致します。車の台数とボランティア人数に応じて、地区ごとのグループを作り、分乗して町内調査を実施します。

* デジタルカメラと三脚をお持ちの方はご持参ください。家屋や資料の撮影に用います。

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*矢本町の「矢本西公民館」に午前9時に集合
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* JR仙石線(仙台―石巻)の下り、仙台発8時03分発石巻行き「快速うみかぜ3号」に乗車し、矢本駅(8時47分着)で下車して下さい。コミュニティーセンターは駅から歩いて10分程度です。添付した地図をご覧下さい。
* 車の場合は、三陸自動車道の「矢本インターチェンジ」で降りると、5分ほどです。

「矢本町西公民館地図」
   添付ファイルまたは下記の矢本町HPをご覧下さい。
「矢本町HP」
http://www.town.yamoto.miyagi.jp/06_institution/institution.html#

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上記の活動に参加が可能な方は、折り返しご返信ください。車でのご参加が可能な方は、その旨、お書き添え頂ければ幸いです。
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みなさんへ  
            宮城歴史資料保全ネットワーク 世話人  平川新

 先日、11月1日(土)に実施する矢本町での被災状況調査について、ボランティアの募集をおこないましたが、現在までにまだ4人の方から参加のご連絡を頂いたにすぎません。

 調査対象は40軒を越えるほどありますので、地区ごとに5チームに分けて実施する予定ですが、チームは最低でも2人一組で回る必要があります。現在の参加状況では2組しかチームを編成できない状態です。あと数人の方のご参加がぜひとも欲しいところです。

 また町内の移動には車も必要ですが、こちらも3台しか確保できておりません。

 もしご都合のつく方がおられましたら、調査へのご参加をお願い致します。

宮城資料ネット・ニュース 13号 (03.10.20)

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鳴瀬町で被災状況調査を実施しました
  10月19日に16人が参加
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* 10月19日(日)に鳴瀬町で被災状況の現状調査を実施しました。参加者は仙台から9人、石巻古文書の会から3人、地元の文化財保護委員の先生方4人でした。ありがとうございます。

* 事前に作成した調査リストをもとに、鳴瀬町の文化財保護係長さんが町内の住宅地図に訪問先をマーキングして下さいましたので、迷うこともなくたいへん助かりました。あつく御礼を申し上げます。

* 調査リストでは古文書・古物・板碑などを含めて55件をリストアップしましたが、文化財保護委員長から、板碑については1基が倒れただけであとは大丈夫とのお話がありましたので、今回は板碑を除いて調査をしました。それでも調査件数は42件にのぼりました。

* 町内調査は地区ごとに5グループに分けておこないました。お留守のお宅もありましたが、古物・古文書ともにおおむね大切に保管されていました。また数軒のお宅から、漢籍や手習本、明治期の貸金証文などが新たに確認されました。

* この地区は今回の地震でも相当に被害を受けていますが、昭和53年(1978年)6月12日の宮城県沖地震(ニチュード7.4<震度5>)のときにも大きな被害を受けて家を建て替え、そのときに文書類を焼却したというお宅がありました。地震被害時における歴史資料の喪失という事実を改めて認識させられました。

* お訪ねしたお宅では、この調査に大いに関心をお示しになり、熱心にこの地区のことやご自分の家の由緒などを語ってくださる方も少なくありません。お若い方より年輩の方が対応してくださったときには、なおさらそうです。あそこが渡船場でね、いまも杭が残っているよ、江戸時代の街道は町内のここを曲がってこういくんだよ、子どものころにはあの橋から川に飛び込んで太平洋まで泳いでいったもんだなどと。町内の地図を前にそうしたお話を聞いていると、この地域の生きた歴史がよみがえってくるような思いを体験します。

* 地震で損壊したために今も不通になっている鳴瀬川の小野橋は、昭和12年にいまの橋に付け替えられたのだそうですが、そのときに取り壊された橋げたの材木数本を大切に保管されている方もおられました。その古い橋げたを前に、板が割れて自動車が何台も川に落ちたもんだなどとお聞きすると、妙にリアリティがあります。このお宅は全壊指定を受けましたので、もうじき取り壊すとのことでした。

* この地区の歴史のことならあの方がよくごぞんじですよ、あのお宅には史料があるのではないかなどと、別なお宅を紹介して頂くことも、しばしばあります。これも実際に歩くことによって得られる貴重な情報でした。

* 今年7月の地震による同町の被害は、全壊452軒、半壊970軒、一部損壊2013軒となっていますので、被害の大きさがわかると思います。裏通りの道路はまだ陥没したままのところがあり、道路ぎわの崩落したガケなども揺れの大きさを実感させるものでした。
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* 次回は11月1日(土)に、矢本町の現状調査に入る予定です。これについては別途ご連絡しますので、皆様のご参加をお願い申し上げます。
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宮城資料ネット・ニュース 12号 (03.10.16)

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宮城県文化財保護課主催の講座のお知らせ
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*県の文化財保護課は、例年秋に文化財関係者の研修講座を開催していましたが、今年度は宮城地震に伴う歴史資料保全活動をメインにした講座を開催してくださることになりました。

*8月以来の宮城資料ネットの保全活動は、文化財保護課と密接な連絡を取りながら進めてまいりました。行政の側でできることと、ボランティアの側でできることを、どううまく組み合わせながら効果的に実施するか、そのことが常に念頭にありました。その成果は着実に出ていると思います。文化財保護課の側で、さらにその連携を強めてくださるべく企画してくださったのが今回の講座だと受けとめています。150人から200人の文化財関係者が参加されるとのことですので、資料ネットの活動を理解して頂き、今後のネットワークの充実につながる大きなチャンスだと思います。

*本来は、県内自治体の文化財担当者や文化財保護委員の方々に対する講座ですので、一般に公開されたものではありませんが、今回は特別に、それ以外の方々にも公開して頂くことになりました。

*講演は、神戸に事務局がある歴史資料ネットワーク代表の奥村宏さんです。宮城地震のあと、すぐに駆け付けてくださり、私たちが救済活動を開始する大きなきっかけをつくって頂きました。阪神大震災や鳥取震災などで資料保全活動を立ち上げてきた意義などについて語って頂けるのではないかと思います。宮城地震に関するものとしては、二つの事例報告が用意されています。ぜひご参加ください。
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宮城県文化財研修講座
  (主催:宮城県文化財保護課)
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日時: 11月12日(水)午後1時00分〜午後3時30分
場所: 東北歴史博物館講堂(多賀城市)

(1)講演                            
奥村 宏(神戸大学助教授、歴史資料ネットワーク代表)
「現代社会における歴史文化の位置−阪神大震災以降の地域歴史遺産保全活動から考える−」

(2)事例報告                          
@平川 新(東北大学教授、宮城歴史資料保全ネットワーク世話人)
    「宮城地震と歴史資料保全活動」 

A中野 祐平(河南町教育委員会社会教育課)  
   「河南町の文化財被害状況と復旧活動」

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* 表記の講座は、正式には「第29回宮城県文化財保護地区指導員並びに市町村等教育委員会文化財担当者研修講座」として開催されるものです。
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宮城資料ネット・ニュース 11号 (03.10.4)

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10月19日(日)に鳴瀬町で被災状況調査を実施します
  ボランティアを募集しています
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* 鹿島台町での活動を9月末日で終えましたので、鳴瀬町の文化財保護委員長および教育委員会と打ち合わせを進めておりましたが、同町での被災状況調査を、来る10月19日(日)に実施することになりました。

* 現状調査にはいる前に、数人の方にご協力を頂き、『鳴瀬町誌』その他の文献をもとに調査対象をピックアップしました。現在そのリストを同町文化財保護委員長にお送りし、住所・名前等の点検をお願いしているところです。

* 19日は、こうしたリストをもとに、これまでと同様、いくつかのグループに分かれて鳴瀬町内を調査してまわることになります。

* 同日の活動には文化財保護委員の先生方もご協力下さることになっております。心強い限りです。

* 町内はかなり広いので、車が必要です。自家用車をお持ちの方は、車でのご参加をお願い致します。車の台数とボランティア人数に応じて、地区ごとのグループを作り、分乗して町内調査を実施したいと考えております。

* デジタルカメラをお持ちの方は持参して頂ければ幸いです。家屋や資料の撮影に用います。三脚もご持参ください。
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○鳴瀬町公民館に午前9時00分に集合

* JR仙石線(仙台―石巻)の下り、仙台発8時03分発石巻行き「快速うみかぜ3号」に乗車し、陸前小野駅(8時43分着)で下車して下さい。公民館は駅から歩いて10分程度で、役場の隣にあります。活動拠点として公民館の会議室を提供して頂いております。添付した地図をご覧下さい。
「鳴瀬町公民館地図」
http://www.town.naruse.miyagi.jp/_mati/sisetu/ryakuzu.htm

* 車の場合は、三陸自動車道の「鳴瀬・奥松島インターチェンジ」で降りると、5分ほどです。
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上記の活動に参加が可能な方は、折り返しご返信ください。車でのご参加が可能な方は、その旨、お書き添え頂ければ幸いです。
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宮城資料ネット・ニュース 10号 (03.9.30)

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9月28日(日) 河南町の宝が峯縄文記念館に修復土器を搬入
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 河南町の縄文記念館(斎藤善右衛門屋敷)に展示してあった宝が峯式の縄文土器の多くが破損しましたので、去る8月31日、破損片を一点残らず収集して、東北大学埋蔵文化財調査研究センターに搬出し、考古学関係者のボランティアによる修復作業を続けておりました。その修復を終えましたので、9月28日(日)に、同記念館に搬入し、展示ケースに元の通りに並べられました。修復した土器は35点。同日の作業は埋文センターの藤沢敦さんをはじめとする8人のボランティアで行われました。この行動については河北新報で次のように報道されています。(河北新報 03年9月29日)
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連続地震で破損土器、修復終え再び展示 宮城・河南

宮城県河南町前谷地の宝ケ峯縄文記念館(斎藤武子館長)で28日、7月の宮城県連続地震で破損した縄文土器35点が修復を終えて展示された。
 土器の修復に当たっていたのは、仙台市青葉区片平の東北大埋蔵文化財調査研究センター。出土した破片を接着復元した状態で展示していた土器は、地震によって接着面が壊れただけでなく、新たな破損も生じて散乱した。
 この日はセンターの藤沢敦助手らが訪れ、修復した土器を1点1点確認しながら展示ケースに並べた。藤沢助手は「地震で落下した破片は1つ残らず回収し、ほぼ完全に震災以前の状態に戻せた」と話している。
 記念館は、河南町の豪農斎藤家の所有地で発掘された縄文土器などを展示するため、1993年に11代当主養之助氏(故人)が開設した。宮城県連続地震で縄文後期・晩期の土器や土偶百数十点のうち、約9割が展示ケースから落下、割れるなどした。
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宮城資料ネット・ニュース 9号 (03.9.30)

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9月27日(土)に鹿島台町で被災状況調査を実施
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* 9月27日(土)に鹿島台町で被災状況の現状調査を実施しました。参加者は仙台から教員・学生など23名でした。大勢の方々に参加して頂きましたので、町内全域での活動を行うことができました。ありがとうございます。

* 当日の活動には、鹿島台町の文化財保護委員の先生方4名、公民館(教育委員会生涯学習課)職員の方1名も参加頂きました。おかげさまで、地元に不案内な私たちもスムースに活動を展開することができました。

* 現地入りの前に、『鹿島台町の文化財』や『鹿島台町史』などをもとに、調査先リストを作成しました。この地域は水害常襲地帯で古文書はあまり残っていないということでしたので、文献記録所有者として把握できたのはわずかに4軒だけだったのですが、『鹿島台町の文化財』第1集(昭和50年)で特集を組んでいた古民家リストは役にたちました。近世後期から明治前期に建てられた古民家ですから、古い由緒をもっておられるお宅も多いだろうということで、これもリストアップしましたところ、全部で34軒になりました。

* 調査に先立って行われた同町文化財保護委員長のお話しによりますと、昭和40年代には100戸以上の古民家があったが、50年代には半減し、平成6年の調査段階ではさらに半減したとのことでした。今回の調査ではさらに少なくなっておりました。

* 現状調査は、地区ごとに5グループに分け、各グループにはそれぞれ文化財保護委員の先生と公民館の方に一人ずつ、案内役として付き添って頂きました。地元の方に同伴して頂きましたので、調査先の方に不審がられることもなく、ほとんどのお宅で丁重に調査に応じて頂きました。地元とのタイアップがいかに大切かを実感させられました。

* 調査データの整理はまだおこなっておりませんが、保護委員の先生方もご存知なかった史料等も、いくつか発見されました。そのなかには近世の旅日記などもあります。また蔵の屋根が損壊して雨漏りしたため、漢籍などの多くの書籍が濡れてカビがはえているお宅もありました。これについては保管方法等について引き続き対応していくことにしています。

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宮城歴史資料保全ネットワーク
〒980-8576 仙台市青葉区川内 
東北大学東北アジア研究センター 平川新研究室気付
電話・FAX 022ー217ー7693
メール  hirakawa@cneas.tohoku.ac.jp
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宮城資料ネット・ニュース 8号 (03.9.11)

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9月27日(土)に鹿島台町で歴史資料の保全活動を実施
   ボランティアを募集します 
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 このメールを身近な方々にも回して頂けると幸いです。
 また、お近くにこのメールニュースの配信をご希望の方がおられましたら、アドレスをお知らせください。次号より直接に配信させて頂きます。  
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*8月末で河南町の救済行動が一段落しましたので、県の文化財保護課のアドバイスを頂きながら、これまで鹿島台町および鳴瀬町の教育委員会と行動計画の調整をおこなってまいりました。

*その結果、来る9月27日(土)に、鹿島台町で歴史資料の保全活動を実施することになりました。この日は、歴史資料を所持しておられる可能性の高いお宅を一軒ずつお訪ねして、被災状況の確認をおこなうことが主な活動になります。
 もちろん、これらのヒアリングや現地確認のなかで、緊急の救助活動が必要と判断された場合には、ただちにレスキュー活動もおこなう予定です。

*鹿島台町での活動には、同町の文化財保護委員の先生方もご参加くださることになりました。地元に不案内な私たちにとって、たいへん心強いものがあります。

*鹿島台が終われば鳴瀬町、南郷町、矢本町と、まだまだ行動計画を立てなければなりません。効率的に行動の成果を出していくためには、一人でも多くの方がご参加くださり、人海戦術で被災状況の確認調査を実施することが望まれます。ぜひ多くの方々のボランティア参加をお願い申し上げます。

*町内はかなり広いので、車が必要です。自家用車をお持ちの方は、車でのご参加をお願い致します。車の台数とボランティア人数に応じて、地区ごとのグループを作り、分乗して町内調査を実施したいと考えております。

*デジタルカメラをお持ちの方は持参して頂ければ幸いです。家屋や資料の撮影に用います。
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○鹿島台町公民館に午前9時20分に集合

*JR東北本線下り、仙台発8時24分発の普通列車に乗車すれば、鹿島台駅に9時09分に到着しますので、これをご利用ください。下車したら、駅北側の鉄道下の地下トンネルを抜けて、徒歩5分のところに公民館があります。添付した地図をご覧下さい。
*車の場合は、三陸自動車道の松島北インターチェンジで降りて、国道346号を15分ほど北上すると鹿島台町に到着します。

鹿島台町公民館地図
http://www.town.kashimadai.miyagi.jp/kouminkan/map%20kouminkan%20chounai.htm
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上記の活動に参加が可能な方は、折り返しご返信ください。車でのご参加が可能な方は、その旨、お書き添え頂ければ幸いです。

   連絡先:平川新
    電話・FAX  022ー217ー7693(研究室)
    メール  hirakawa@cneas.tohoku.ac.jp
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*これまでこのニュースは「宮城地震(仮称)歴史資料救済ニュース」と称してきましたが、今号から、「宮城資料ネット・ニュース」を正式名称と致します。

宮城地震
(仮称)歴史資料救済ニュース 7号 (03,9,01)

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河南町の宝が峯縄文記念館
  救済行動を終える
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*昨31日(日)に、河南町の宝が峯縄文記念館(斉藤善右衛門屋敷)で、古文書・新聞・書籍類の救出・整理と、縄文土器類の搬出作業をおこないました。

*参加者は総勢41人にのぼりました。滋賀や東京からも駆け付けて頂き、ありがとうございました。これだけたくさんの方の参加を頂きましたので作業が大いにはかどり、おかげさまで同記念館の救助活動は昨日をもって一段落することができました。御礼を申し上げます。

*作業は、@表土蔵(文書蔵)班、A展示資料館班、、Bお休み処班、C小屋班、D美術班、E土器班、F外回り班、の七グループに分かれて行いました。

*@班では、前回に引き続き、損壊の激しい表土蔵(文書蔵)から大正時代の新聞などを隣の展示資料館に運び出しました。A班では、前回、表土蔵から搬入された古文書約90箱を箱ごとに概要把握する作業をおこないました。B班では、地震のさいに散乱した書籍類を段ボール箱に詰めて、展示資料館に運び出しました。20箱をこえています。Cの小屋班でも、古文書や書籍類を段ボール箱で50箱程度整理できました。Dの美術班は軸物や絵画などの現状を確認しました。 Eの土器班は、ショーケースから土器を慎重に取り出し、東北大学埋蔵文化財研究センターに搬出しました。今後そこで修復作業を行います。Fの外回り班は、午後から隣の矢本町の旧家2軒をお訪ねして現状を確認しました。一軒のお宅では蔵一棟が完全壊滅し、私たちが訪ねたときはきれいに整地されていました。しかし庭にはいくつもの亀裂が走り、塀もすべて倒壊、1メートルほど地滑りした跡もはっきりと分かりました。残った二棟の蔵も外壁のしっくいが全面的に落ちていましたので、地震の激しさを十分に物語っていました。いずれ蔵のなかを整理するときには見て頂こうか、とのお話でした。

*斎藤家のご当主のお話によれば、蔵だけではなく母屋もかなり破損しておりますので、これの修復に頭を痛めているとのことでした。古文書や書籍類の今後の管理等についても、ご当主と相談しながら検討していくことにしています。

*なお添付ファイルに、斎藤家の被災状況と救助活動の様子をつけておきました。ご覧下さい。

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次の活動については、関係機関と調整しながら計画を立てることしています。決まりましたら、お知らせ致します。
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 このメール・ニュースについてのお問い合わせは下記にどうぞ。
   平川新(東北大学東北アジア研究センター)
    電話・FAX  022ー217ー7693(研究室)
    メール  hirakawa@cneas.tohoku.ac.jp









宮城地震
(仮称)歴史資料救済ニュース 6号 (03,8,24)

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8月31日(日)に
河南町で第3次の救済行動を実施します
 ボランティアを募集いたします 
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 このメールを身近な方々にも回して頂けると幸いです。
 また、お近くにこのメールニュースの配信をご希望の方がおられましたら、アドレスをお知らせください。次号より直接に配信させて頂きます。  
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*来る31日(日)には、河南町の宝が峯縄文記念館(斉藤善右衛門屋敷)で、古文書・新聞・書籍類の救出・整理と、縄文土器類の搬出作業をおこないます。

*土器類については考古学関係の方々を中心に作業を行います。東北大学埋蔵文化財研究センターに搬入し、修復作業等をおこなう予定です。

*古文書・新聞・書籍類の救出・整理は前回8月10日の作業だけで終わりませんでしたので、引き続き搬出と整理作業を実施します。前回は文書蔵からの搬出が中心でしたが、今回は事務室棟や別な倉庫にある書籍・文書類も搬出する予定です。
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◎河南町役場前に午前10時に集合
*JR石巻線で仙台発8時51分(快速南三陸1号)に乗車すれば、小牛田→湧谷を経て前谷地駅に9時42分に到着しますので、これをご利用ください。自家用車の場合は、三陸自動車道の矢本インターで降りて北上するのがもっとも便利です。
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 上記の活動に参加が可能な方は、折り返しご返信ください。
   連絡先:平川新
    電話・FAX  022ー217ー7693(研究室)
    メール  hirakawa@cneas.tohoku.ac.jp


宮城地震
(仮称)歴史資料救済ニュース 5号 (03,8,24)

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河南町第2次行動(8月23日)の結果を報告します
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*昨23日に河南町で第二回目の被災資料救済行動を実施しました。ご参加頂いただいた方々に御礼を申し上げます。ありがとうございました。

*第1班は、全壊指定をうけた町立歴史民俗資料館立教堂から、民具や農具などの展示品を運び出し、トラックやワゴン車3台で多賀城の旧東北歴史資料館の倉庫に搬入しました。河南町教育委員会の職員の方々や、地元のボランティアの方々、それに私たちのグループから5人、およそ20人程度で多賀城の倉庫まで2往復しました。

*第2班は6グループに分かれて町内の文化財等の現状調査とレスキュー活動を行いました。県の『文化財基本調査』に記載されたリストなどを手がかりに、町内27軒のお宅をお訪ねし、被災状況や史料の保管状況などを確認しました。聞き取りのなかで、リストに未記載のお宅も数軒紹介して頂きました。
 その結果、蔵のなかに証文などがいっぱいあったが、蔵が破損したので一週間前に解体し、そのときに全部捨ててしまったというお宅がありました。一週間遅かった!、と大いに悔やまれます。だからこそ、迅速な行動が求められることを実感しました。また今回の地震とは別に、今年の2月に母屋と蔵を解体し骨董屋などに全部売ってしまったというお宅もありました。
 もちろんこうした悲しい結果だけではなく、、仮設住宅に移らなければならないほどの被害を受けたあるお宅では、蔵を壊すので掛け軸や古文書などを持っていってほしいと要望され、バンの荷台がいっぱいになるくらいの資料類を緊急レスキューしております。これは教委の倉庫に保管して頂きました。また私たちがお訪ねてして調査の主旨をお伝えすることで、蔵を整理するときには連絡しますよといった対応をみせてくださるお宅も少なくありません。かなりたくさんの資料を所蔵しておられるお宅なども、確認することができました。

*前回8月10日の現状調査で23軒、今回27軒、合計50軒の確認をすることができました。調査カードについては被災地調査が一段落した段階で改めて整理し、地元の文化財担当係や県の文化財保護課などにも提供し、文化財リストの充実に活用して頂く予定です。

*今回の調査には、石巻中央図書館の庄司恵一さんや石巻文化センターの古澤亜希子さん、石巻の古文書を読む会の阿部わか子さんや中村守さんも参加してくれました。阿部さんは河南町にお住まいですので、地の利を活かして町内の聞き取り調査がたいへんスムースになりました。また東京の国立史料館の渡辺浩一さんと、天理大学の藤田明良さんも駆け付けてくれました。遠路ありがとうございました。

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<役割分担>(敬称略)
○町立歴史民俗資料館立教堂班
 竹原万雄、蝦名裕一、柳原敏昭、朴英吉、及川健二
○町内調査班
(和淵地区)平川新(車)、金ジンスク
(広淵地区A・鹿又地区)菊池勇夫(車)、阿部わか子
(広淵地区B)中村守(車)、藤田明良
(北村地区A)七海雅人(車)、渡辺浩一
(北村地区B)庄司恵一(車)、菊池慶子
(須江地区)古沢亜希子(車)、佐々木徹
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宮城地震
(仮称)歴史資料救済ニュース 4号 (03,8,11)

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8月23日(土)に
河南町で第2次の救済行動を実施します
 ご参加をお願いいたします 
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*来る23日(土)には、次の二つの行動を予定しています。
@河南町立歴史民俗資料館
 同館は縄文土器や民具類を収納・展示しておりましたが、玄関部分の屋根が崩れ落ち、建物も大きくゆがんでしまいました。ここでもショーケースの土器類の大半が破損し、民具も倒れています。河南町教育委員会からレスキューの要請がありましたので、民具等の収蔵品を同資料館から搬出し、多賀城市にある旧東北歴史資料館の倉庫に移管する作業を行います。搬送用のトラックは同町教委で用意します。

A河南町内における歴史資料の現状調査活動
 去る10日の現状調査活動により21件の現状確認がすみましたが、19件は未確認のまま残っています。そこでこの残りのものについての確認調査を実施する予定です。
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*宝ヶ峯縄文記念館(斉藤善右衛門屋敷)
 23日には縄文記念館での活動は予定しておりません。同館での行動日程については、関係者と相談のうえ、改めてお知らせ致します。
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◎河南町役場前に午前10時に集合
*JR石巻線で仙台発8時51分(快速南三陸1号)に乗車すれば、小牛田→湧谷を経て前谷地駅に9時42分に到着しますので、これをご利用ください。自家用車でおいで頂いても構いません。
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 上記の活動に参加が可能な方は、折り返しご返信ください。参加人数によって役割分担等を考えます。
   連絡先:平川新  hirakawa@cneas.tohoku.ac.jp


宮城地震
(仮称)歴史資料救済ニュース 3号 (03,8,11)

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8月10日(日)に
桃生郡河南町で資料救出と現状調査活動を実施
 新発見の史料も 
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* 昨日(8月10日)、桃生郡河南町に歴史関係者のチーム26人がJRと自家用車で入り、町内の民家を訪ねて歴史資料等の現状調査をおこなうと同時に、宝が峯縄文記念館の文書・新聞資料の救助活動を実施しました。参加者は東北大学・東北学院大学の学部生・大学院生が17人、東北大学・宮城学院女子大学、宮城高専の教員などが9人でした。第1回の救済行動にたくさんの方々が駆けつけてくださったことに感謝したいと思います。

*行動は下記のように、町内の現状調査チーム4班と歴史資料の保全チームに分けて行いました。
○現状調査チーム
 第1班(前谷地・鹿又・和淵の各地区)平川新、中野(河南町教委)、金ジンスク 
 第2班(広淵地区)菊池勇夫、三好俊文
 第3班(北村地区)七海雅人、渡辺祐希
 第4班(須江地区)鯨井千佐登、田中千草
○保全チーム(宝ヶ峯縄文記念館) 大藤修、藤沢敦、井上研一郎、永田英明、千葉正樹、伊藤大介、田中智洋、椿井達也、中野渡俊治、油井航、吉川圭太、蝦名裕一、朴英吉、勝亦浩之、三神恭、栃木智子、竹原万雄、照井貴史

*現状調査チームは、宮城県文化財保護課が平成3年に作成した『宮城の文化財基本調査』のリスト、および河南町教育委員会がその後に追加把握したリストをもとに、歴史資料等を保管している個人宅をお訪ねし、直接に被災状況を確認するとともに、歴史資料等の現状をおたずねしました。調査対象は『宮城の文化財基本調査』記載の31件、町教委による追加把握9件の合計40件でしたが、21件の個人宅をまわることができました。
 家屋の危険指定を受けたお宅や、土蔵や板倉が大きく破損したお宅などもあり、地震の激しさを実感することができましたが、まだ屋内や蔵内の片づけなどを終えていないお宅が多く、復旧にはかなりの時間を必要としているようです。
 多くのお宅では無事に保管されていることが確認でき、緊急の救助活動が必要な事例はありませんでした。しかし、なかにはリストに記載された古文書は、いまどこにしまってあるか分からないという方や、被災した蔵を先日解体したばかりで、そのなかに古文書があったかもしれないなあというお宅、蔵のなかはめちゃくちゃなので古文書を入れた葛籠がどうなっているか分からないといったお宅もありました。また原本は見あたらないが残っていたコピーは町教委も把握してなかった文化・文政期の文書であったというケースもありました。これから蔵の整理をするというお宅に対しては、古文書等が見つかった場合には町教委を通じて連絡を頂ければ保全処置や史料整理等でお手伝いをさせて頂きたいと申し入れております。

*保全チームの主舞台となった宝ヶ峯縄文記念館には18人を投入して、100箱にものぼる文書箱を搬出し、倒壊した新聞棚からは大正期の時事新報や国民新聞等を救出しました。このチームは、損壊著しい文書蔵から比較的軽微な隣の蔵に文書の入った木箱を運び出す力仕事グループと、文書箱の概要を確認するグループに分かれました。
あまりにも量が多いために文書箱の全容はまだ確認しきれておりませんが、近世末から明治・大正期の帳簿類が多いようです。文書箱の移動はすみましたが、新聞は未搬出のものが少し残りました。展示室のショーケースに収納されていた縄文土器類については、藤沢敦さん(東北大学埋蔵文化財調査研究センター)が破損の程度を一点ごとに確認し、今後の対策を関係者と相談していくことになりました。

*帰りの電車の都合もあるので、この日の作業は午後4時過ぎに終えました。台風一過のすばらしい天気のもと、力仕事の保全チームはもちろん、外回りチームも汗だくとなりました。みなさんのご協力に深く感謝申し上げます。

*東北歴史博物館から、段ボールの文書箱20箱と史料整理袋1000枚のご提供を頂きました。今後ともよろしくお願いいたします。

*搬出作業中に箱等が倒壊して負傷する危険がありましたので、掛け捨ての傷害保険にはいりましたが、幸い事故はありませんでした。この保険代と当日の弁当代は、8月6日に事前視察をおこなった4人のカンパでまかないましたが、これからは口座を開設して広範にカンパを呼びかけていきたいと考えております。よろしくご協力のほど、お願いいたします。

○次の行動計画については、追ってお知らせします。

○宮城地震に関連した歴史資料の救助・保全に関するご意見や情報等については下記にご連絡ください。
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  東北大学東北アジア研究センター  平川新研究室 
     電話・FAX 022−217−7693
     Eメール  hirakawa@cneas.tohoku.ac.jp
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仮称)歴史資料救済ニュース 2号 (03,8,6)   平川 新
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               緊急のお願い
  8月10日(日)に河南町で歴史資料の救助活動と現状調査を行います。
  これらのボランティア活動に、みなさんのご参加をお願いします。
  ご参加が可能な方は、折り返し、メールにてご返事をください

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 本日(8月6日)、河南町教育委員会のご協力を得て、震災被害の現状調査を行いました。参加者は、今野真さん、菊池勇夫さん、鯨井千佐登さん、平川の4人でした。
 本日まわることができたのは、宝が峯縄文記念館(近代の巨大地主・斉藤善右衛門屋敷、公営ではなく斉藤家による経営)、河南町歴史民俗資料館立教堂、斉藤一族の一つである斉藤正敏家、の三つでした。
 これらの現状を確認したうえで、教育委員会の担当者や、それぞれの御当主と相談し、下記のように対処することにしました。

○宝が峯縄文記念館
 縄文記念館には、いくつもの大きな土蔵があり、それらを活用して宝ヶ峯遺跡から出土した土器などが展示されている。これらの土器はほとんどが破損している状態。
また非公開の土蔵には、主として幕末・明治以降のものと思われる帳簿・文書類の入った箱が数十箱、大正時代の新聞、書籍類などが納められているが、新聞棚などは倒壊しており、文書箱もいくつかは転げ落ちている状態。この土蔵自体の破損もかなり大きい。
*宝が峯縄文記念館(以下、縄文記念館と略称)の案内はこちらをご覧ください。
   http://www.kanan.miyagi-fsci.or.jp/tiiki/rekisi.htm
*土器類については、修復の問題もあるので、土器の扱いに手慣れたメンバーが不可欠。今回の視察団には考古学関係者がいなかったので、今後、考古関係者と相談しながら、対応策を検討することとした。
*新聞・文書類等については、破損した土蔵から別の土蔵に移管し、床の修復(または蔵の修復)が終わった段階で元の蔵に戻す。その間に箱ごとに文書等を点検し、おおざっぱな整理目録を作ることが望ましい。おおむねこのような対応策とし、8月10日を第一行動日とする。

○河南町歴史民俗資料館立教堂
 建物は昭和4年建築だが、今回の地震で玄関屋根の部分が完全に倒壊。内部には主として民具や土器を展示してあったが、破損土器が多く、民具もかなり倒れた状態にある。
 *展示してあった民具や土器等は、河南町教委と東北歴史博物館が相談した結果、旧東北歴史資料館に一時保管することが可能になったとのこと。そのさいの搬出等にサポートが欲しいとのこと。ただし、時期は未定。

○斉藤正敏家
 斉藤善右衛門家の一族で、母屋は200年ほど前の建築。土蔵も二つ。屋敷門や塀は大きく倒壊。母屋にもゆがみが出た。土蔵は外壁が大きく崩れ落ち、内部も床が落ちてひどく散乱している状態とのこと。土蔵には古文書などを入れた箱もあるとのこと。屏風も破れた。菅井梅関の画も数点あり。
*屋敷地内に倉庫を作り、土蔵内の収蔵品をこちらに移管して土蔵の修復にかかるとのこと。警備会社を経営しているので自分の家のことは後回しにせざるをえず、倉庫を建てて移管するのは早くても9月、遅れて10月か11月になるかもしれないとのこと。その段階で河南町教育委員会を通じて連絡をとり、古文書類の搬出または搬出後の整理などに協力してもらえるとありがたいとのこと。

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[8月10日(日)の河南町行動プラン]
 現状を確認できた対象については以上のような状態でした。
 そこで、来る8月10日(日)に、まず縄文記念館の古文書・新聞類の救助にあたることにしました。
 なお、平成3年に県が作成した文化財・古文書リストによれば、このほかにも河南町には古文書等を所有したお宅がたくさんありますので、これらのお宅の現状調査も早急に実施する必要があります。これについても、10日の参加者が多ければ、いくつかのチームを作って確認調査に入りたいと考えております。
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○JR石巻線 前谷地駅前に、午前9時45分に集合。
   時刻表/http://ekikara.jp/time.cgi?det24258
*仙台発8時51分(快速南三陸1号)に乗車すれば、小牛田→湧谷を経て前谷地駅に9時42分に到着しますので、これをご利用ください。自家用車でおいで頂いても構いません。
*作業は前谷地駅発17時8分の列車に間に合うように終了します。
*弁当については用意します。
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*8月10日以降の行動計画はまだ立っておりません。10日の状況次第ですが、次の行動日はお盆を終えてからになると思います。 
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史料ネットのHPに、8月1日に実施した矢本町の被災状況がアップされました。ご覧ください。
http://www.lit.kobe-u.ac.jp/~macchan/



  1号 

みなさんへ
           平 川 新(東北大学東北アジア研究センター)

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 このメールは宮城県内に在住されているか、または宮城県に関係がおありの歴史関係者の方々にお届けしております。今後も宮城地震による歴史資料の被害に関する情報を送信することになりますが、メール送信が不要な方は送信リストから除きますので、ご一報ください。
 また、お差し支えなければ、このメールをお知り合いの方々に転送していただき(宮城県関係者以外の方々にも)、これからの活動について広く周知していただければありがたく存じます。
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 お願い/ 宮城地震に伴う歴史資料の救済と保全の活動について


 去る7月26日(土)に宮城県を襲った地震は、県北部を中心とした地域に甚大な被害をもたらしました。

 被災状況が判明するにしたがって、地震の爪あとはこれら地域の方々の御身体や家屋だけではなく、遺跡や古文書、古物などの文化財にも及んでいることが明らかになってまいりました。指定文化財等については現状確認や保存の手だてが徐々に加えられておりますが、未指定の古文書や古物等は、瓦礫などと共に、被災地復旧の過程で廃棄されたり散逸するのではないかと心配されております。
 
 そのため、8月1日(金)、関西に設置されている歴史資料ネットワーク(通称:史料ネット)から、代表の奥村宏さん(神戸大学)ほか2名の事務局員が来仙されて、この点についての注意を喚起されました。またそのさい、菊池勇夫さんと平川が案内して、被災地の一つである矢本町の視察に入りました。

 史料ネットは阪神大震災時における歴史資料の救出と保全を目的に設立され、多大な成果をあげた組織です。その後、鳥取西部地震や芸予地震に対しても、被災地にボランティアを派遣して古文書や文化財などの救出と保全に大きな役割をはたしております。
 
 1日の現場視察の結果、被災した家屋の修復や解体に入る段階で、個人が所有しておられる種々の歴史資料が処分される可能性の高さを実感しました。また河南町で文化財を保管している私設資料館からは、多くの土器が破損し書籍類が散乱したため助けてほしいとの連絡もはいってきました。そのため明日8月6日には、関係者4人で河南町に入って、被災状況を確認してくる予定にしています。

 視察の結果、被災状況によっては緊急のレスキュー隊を組織して現地に入る必要も考えられます。また即時にというほどの緊急性はなくとも、いずれ歴史資料の保全・整理のために被災地にはいって、さまざまな活動をしなければならないことが予想されます。そうした救済プログラムは、地元市町村の文化財担当者、県の文化財課、東北歴史博物館などと相談しながら組んでいくことにしています。

具体的な行動計画は、明日の視察をふまえて、どの程度の人員が必要かなどを検討したうえで決定することにしています。行動日や集合場所等については改めてご連絡を差し上げることになりますが、今後実施されることになる救済・保全活動に、ぜひともご協力をお願い致したく、前もってみなさまにお知らせした次第です。よろしくお願い申し上げます。

 また、20年以内には極めて高い確率で宮城県沖地震が発生すると予測されておりますが、その震災においても、今回を上回る文化財や歴史資料等の被害が発生するのではないかと想定されます。それに備えて歴史資料や文化財の救出・保全の体制をより充実させていくことが必要だと思われますので、当面の救済活動とあわせて、将来に向けての体制作りも進めていきたいと考えております。この点についても、ご協力をお願い申し上げる次第です。